教員を目指している方の中には、私立教員に興味を持っている方もいると思います。
しかし、私立教員のなり方や、具体的な特徴、公立教員と違いなどって、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は、私立教員として働いていたこともある私が、私立教員になるにはどうしたらいいのか?という疑問にお答えしていきたいと思います。
その時の経験も踏まえてお話しします。
・私立教員になる方法をよく知らない人
・公立の教員採用試験の結果が出てから私立教員を目指したい人
・私立教員の情報をあまり知らない人
・私立教員に興味がある人
私立教員と公立教員の違いって?
このような疑問を持っている方は多いと思います。
私立教員と公立教員は、子どもたちへの教える内容などはあまり変わりがありません。
しかし、採用方法や異動の有無など、勤務の形態で違う部分が多いです。
具体的には以下の9つの違いがあります。
違い | 公立教員 | 私立教員 |
①採用方法 | 県の採用試験 | 学校ごとの採用試験 |
②雇用形態 | いきなり正規採用もある | はじめは講師スタートが多い |
③教員の配置人数 | 県が教員の人数を決める | 学校が教員の人数を決める(副担任の人数が多めの印象) |
④給料 | 県が給料を決める | 学校が給料を決める |
⑤勤務日 | 基本的に週5日(休日に部活動はあるが) | 土曜授業などで、土曜日も勤務日のこともある |
⑥同期の人数 | 多い(県で毎年たくさん採用される) | 少ない(欠員補充制のため) |
⑦研修 | 多い(県で決められた研修が多い) | 少ない(学校ごとに独自で行っているため) |
⑧異動 | 県内どこでも移動する可能性あり | 同じ学校内でしか異動しない |
⑨職場の年齢層 | 比較的年齢層が低い(最近若い先生がたくさん採用される傾向にあるから) | 比較的年齢層が高い(ずっと同じ人が勤務するから) |
ざっくりとまとめるとこのような感じです。
公立教員と私立教員の詳しい違いを知りたい方はぜひご覧ください。
私立教員のメリット・デメリットって何?
私立教員と公立教員の違いが分かったところで、「じゃあ、私立教員のメリット・デメリットって何?」と気になる方も多いと思います。
公立教員と比較した場合の、私立教員と公立教員のメリット・デメリットをざっくりとまとめるとこんな感じです。
- 勤務地が自分で選べる
- 学習意欲が高い子どもが多い(小学校や中学校の場合は特に)
- いきなり担任をもたされる可能性が低い
- 数年勤めれば、専任教員として採用される
- 研修が多くない
- 転勤がない
- 職場環境が閉鎖的
- 給料や福利厚生が学校によってまちまち
- 私立教員は公務員ではない
- 先生の年齢層に偏りがある
私立教員の特徴が肌に合う方は、私立教員として長く続けていけると思いますね。
公立の教員採用試験の後からでも私立教員になることができる
私自身も私立の教員採用を経験して分かったことなのですが、公立の教員採用試験後からでも私立教員を目指すことは十分に可能です!
理由は主に2つあります!
- 私立学校は10月頃から教員募集をかける場合が多い
- 公立学校の採用試験で勉強していた知識が使える
理由①:私立学校は10月頃から教員募集をかける場合が多い
私立学校は、学校ごとに教員を募集しています。
年間を通して教員を募集していることもあるのですが、実は、公立の採用試験の結果が出る10月頃に募集をかけ始める私立学校も多いのです!
私立学校側もより多くの人に受験してほしいので、公立学校の合否の結果を待ってから募集をかけ始めるケースが多々あるようです。
理由②:公立の採用試験で勉強していた知識が使える
私立学校の採用試験の場合、学校ごとに試験を受けに行きます。
もちろん試験問題や内容はその学校ごとに異なります。
学校ごとに問題の特色はありながらも、教員としての教養や知識を見ている問題も出題されるので、公立学校の教採用試験の勉強の知識を役立てることができます。
その時は公立学校の採用試験の勉強に使っていた問題集や参考書を復習し直して挑みましたが、それで十分でした!
【公立の教採後からでも間に合う!】私立教員になるには?具体的な流れを紹介!
ここからは、私立教員になるための流れを説明していきます。
どの時期から私立教員の採用試験を受験するにしても、基本的に次のステップをふめば、私立教員になることができます。
- 私立学校の求人を探す
- 条件や試験内容を見て、希望と合えば学校に履歴書を送る
- 学校から試験の日程が知らされるので、受験しに行く
- 合格すれば採用になる
実は、私立学校の教員になる方法ってシンプルなんです!
ひとつずつ詳しく説明していきますね。
①:求人を探す
私立学校を受験するときのイメージは、企業の就活と似ています。
自分で求人を探して、自分の希望に合う学校を受験しに行くのです。
しかし、私立学校の場合には、欠員が出たら補充するという形なので、自分の希望校種や希望教科に必ずしも空きがあるとは限りません。
自分の住んでいる都道府県だけではなく、場合によっては別の都道府県にある私立学校にも目を向けないと求人がない場合もあります。
ちなみに、求人は公立の教員採用試験の合格発表が終わる10月頃から出始める場合が多いです。
公立の教員採用試験の結果を見てからでも求人を探すことは十分に可能です!あきらめずに探してみましょう!
私立学校の求人を探す方法は主に2つです!
- 私立学校の求人サイトに登録し、条件に合う学校を探す
- 私立学校のホームページを見て、自分に合う求人があるのか探す
私立教員の求人を探す方法①私立学校の求人サイトに登録し、条件に合う学校を探す
私が実際に登録していたサイトは以下のとおりです。
自分の希望の校種や希望の教科を募集している学校があるのか、これらのサイトを利用すればすぐに調べることができます。
自分の希望教科や校種等をあらかじめ登録しておけば、スマホに求人が送られてくるサービスもあり、求人探しにはとても便利でした。
希望する学校があれば、受験日程等を確認し、試験を受けに行きましょう。
私立教員の求人を探す方法②私立学校のホームページを見て、自分に合う求人があるのか探す
勤めてみたい私立学校がある場合には、直接学校のホームページで求人を確認するとよいと思います。
私立学校のホームページを検索すれば、『教員採用について』のような形で載っています。
ちなみに私は、自分の住んでいる都道府県内の私立学校のホームページをすべて見て、求人が出ていないか調べました。
幸いなことに、私が調べた時には国語教員を募集している私立学校が3校ほどあり、他の県の私立学校に受験をしに行く必要はありませんでした。
求人がなければ私立学校求人サイトに登録して、全国規模に視野を広げて求人のある学校を調べる流れがスムーズです!
②:条件や試験内容を見て、希望と合えば学校に履歴書を送る
学校が提示している勤務条件や試験内容を見て、希望と合えば学校に直接履歴書を送ります。
中には、書類選考を行っている私立学校もあるので、履歴書は気合を入れて丁寧に書きましょう。
履歴書は市販で発売されているものを使います。形式に指定がない場合には、自分で自由に選んで大丈夫です。
私は、あまり書くところがないとPRできないと思ったので、少し書く欄が多めのものを選びました。
履歴書を見ながら面接されるので、PRしたいことは余すことなく書いておきましょう。
③:学校から試験の日程が知らされるので、受験しに行く
履歴書を送ったら、学校から試験の日程が知らされます。
試験の内容は、学校によってさまざまです。
一般的には、筆記試験と面接を行っている学校が多いと思います。
試験の勉強ですが、公立の教員採用試験の勉強を積んでいる人は、その力をそのまま私立の試験にも使うことができると思います。
私立学校の面接の場合には、学校のトップの方と行う場合があります。
「この人と一緒に働きたい!」と思ってもらえるような振る舞いが大切です。
④:合格すれば採用になる
採用試験に合格すれば、採用になります。
採用されてからは、学校に直接呼ばれて、何回か面談や説明等を受けることがあります。
私の場合には、10月中旬から私立学校の採用試験を受けに行って、11月の頭には内定がもらえました。
公立学校で不合格になり、自信がすっかりなくなっていたのですが、私立学校の受験では、複数の学校から内定をいただくことができました。
私立学校の面接の時には、先方も一緒に働く仲間を探すというスタンスなので、私のもっているスキルやできることに多くの関心を寄せてくれた印象でしたね。
私立教員に興味があるみなさまへ
私立学校の採用は、企業の採用と似ています。
シンプルに言えば、自分で条件に合う学校を探して→受験してという手順です。
私は、公立の採用試験結果が出るまで私立学校の試験対策をしたことがありませんでしたが、それでも複数の学校から内定をもらうことができました。
ですので、私立学校に少しでも興味があれば、いつから目指しても遅すぎるということはないと思います。
選択肢の一つとして、是非、私立学校に勤務することも考えてみてくださいね。