教員採用試験の対策で、一番悩むと言っていいのが論作文・小論文対策ですよね。
このような悩みをもっている人はいませんか?
論作文って、書き方のコツがわからなかったり、書く経験が少なかったりすると難しいものですよね。
今回は、そのような方のために、教員採用試験の論作文の勉強法・書き方を徹底解説したいと思います!
この記事を読めば、
- 合格する論作文を書くコツ
- 論作文の基本の型
- 具体的な勉強法
- おすすめの論作文の参考書
など、論作文の勉強に関わる全てが分かるようになっています!
合格する論作文を書くために大切なこと
まず、大前提として、論作文を書く上で一番大切になるのは、読み手にとっていかに分かりやすく書くかです。
なぜこれが一番大事なのか。それは、論作文を採点するのは人間だからです。(←ん?)
例えば、みなさまが採点する側だったとして、このような論作文が自分のもとにきたらどう思うでしょう?
- 字が雑or小さくて、何が書いてあるのか解読するのに時間がかかる。
- パッと見て、段落分けがあまりなく、どこに何が書いてあるのか分からない。
- 主張とそれを支える根拠が分かりにくい。
- 言っていることが抽象的で何を言っているのか分からない。
このような論作文きた場合、「あまりいい論作文ではないな…」と判断しますよね?
むしろ、「これ最後まで読むのか…」と苦痛に思いませんか?
誰しもこのように思うことは自然なことなのです。
マークシートなどで答えだけを純粋に機械で読み込む場合には、答えが正解か不正解かだけを機械的に判断できます。
しかし論作文は人が判断しますので、そこには感情が必ず入ります。
つまり、論作文は、採点側への負担が少なく、楽に読める分かりやすい文を書くことが一番大切なのです。
「読み手にとって分かりやす書く」=「合格する論作文を書く」 ということ
この大前提を忘れて、何枚も論作文を書いたり、論作文の書き方のコツをそのまま当てはめたりしても、本番の論作文試験で高評価を受けることはできないので注意が必要です。
論作文の基本の型
教員採用試験の論作文・小論文を分かりやすく書くためには、基本の型に沿って書くことが大切です!
この基本の型は、私が実際に論作文を書いていた時に使用していたものです。
参考書などでも基本の型は紹介されていますが、一番シンプルで使いやすいかと思います。
教員採用試験の論作文・小論文の勉強法【手順公開】
教員採用試験で合格できる論作文・小論文を書けるようになるためには、書く練習を正しい手順で積み重ねることが大切です。
私が実際に教員採用試験で実践していた論作文の勉強手順はこちら!
- 自分の受験する自治体の過去問をチェック
- 参考書を購入し、よく出るテーマを実際に自分で書いてみて添削
- 作文を書く中で出てきた教育用語を勉強
- ②と③を繰り返して力をつける
手順① 自分の受験する自治体の過去問をチェック
まずは自分の受験する論作文の過去問を見てみましょう。
- どのようなテーマが出ているか
- 文字数や制限時間はどのくらいか
- 具体的な模範解答例はどのようになっているか
などを確認し、出題傾向を分析してみます。
ちなみに私の受験した自治体は、
- 教育時事でも話題にでるオーソドックスな教育用語をテーマにしたものが多い(チーム学校、道徳の教科化など)
- 文字数や書き方は一般的な論作文の形式
という感じだったので、参考書に書かれている論作文の例を参考にしながら対策をしていきました。
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手順② 参考書を購入し、よく出るテーマを実際に自分で書いてみて添削
いよいよ実践に入ります。
論作文対策には書く訓練をすることが必須です。
模範解答例が載っている参考書を購入し、よく出るテーマを書いてみましょう。
・生きる力
・確かな学力
・チーム学校
・いじめ
・学び続ける教師
・教員の資質能力の向上
・ICT教育の推進
・キャリア教育
書いてみたら、自分の文章を読み返して添削してみます。
まだ書くことに慣れていないうちは以下のポイントを中心に添削してみることをおすすめします。
・誤字脱字はないか
・一文が長すぎるところはないか(3行以上は長い)
・基本の型通りに書けているか
・テーマに対して書いていることが大幅にずれていないか
手順③ 作文を書く中で出てきた教育用語を勉強
教員採用試験の論作文では、テーマになる教育用語への理解が必須です。
例えば「生きる力」がテーマの場合には
- なぜ生きる力が唱えられるようになったのか
- 生きる力を育むとどのような利点があるのか
などの教育用語の背景にまで目を向けた記述が必要です。
論作文を書いているうちに出会った教育用語や教育時事に関しては、解説を参考にしてノートにまとめるなどして理解を深めておきましょう。
手順④ 手順②③を繰り返して力をつける
あとは「書く」と「覚えるべき知識を入れる」を繰り返していくだけです。
だいたい10~15ほどのテーマで書く練習を重ねると、すらすらと文章が出てくるようになります。
頻出テーマで10~15ほど書く練習と添削、教育用語の復習を重ねたら、自分の受験する自治体の過去問などを用いて時間内に書き終わるように練習を重ねていきましょう。
- 頻出テーマでは一枚一枚完成度を高めて論作文書きの基礎を磨く
- 過去問でどんなテーマでも書けるような実践力を磨く
というような認識で勉強を重ねると書く力が身についていきますよ!
これさえおさえればOK!合格する論作文・小論文の書き方のコツ5選
ここからは、知っていると得する論作文・小論文のコツを解説していきます!
教員採用試験で合格する論作文を書くためには5つのコツがあります。
- 字を大きく丁寧に書く
- 一文が長くならないように書く
- 字数制限のギリギリまで書く
- 論作文の型を覚え、何がどこに書いてあるのか一目見て分かるように書く
- 具体例を交えて書く
論作文で意識するべきなのは、何を書くかではなく、どのように書くかということです!
私も、自分が論作文を書く時には、この5つのコツは特に注意をして書きました。
この5つのコツを守るだけで、全体として質のよい論作文が仕上がったように見えるので、ぜひみなさまもやってみてくださいね!
書き方のコツ①字を大きく丁寧に書く
よく、論作文対策で書き方のことばかりをアドバイスされることが多いですが、割と見落とされがちなことが字に関することです。
なぜ「字を大きく丁寧に書くことが大事なのか」。理由は主に2つあります。
理由1: シンプルに読みやすい
「字が大きくて丁寧」な論作文はシンプルに読みやすいです。
「この先も読もう」という気持ちになりますし、何より、読み手側にとっての負担が少なくて済みます。
ワープロなどで、全員統一した書式で書く場合には字のことはさほど重要ではありませんが、手書きで書く場合には、字の読みやすさは重要な要素だと言えるでしょう。
理由2: 内容までいいと思えてくる
これは、私が作文を添削した経験から言えることなのですが、「字が大きく丁寧に書けている」というだけで、内容まで素晴らしいものに見えてくるものです。
同じ内容を書いていても、字が雑で小さいのと、字が大きくて丁寧なのとでは、明らかに後者の方がいい作文のように見えてしまうのです。
これは心理学の分野でも科学的に証明されていて、ハロー効果とも言います。
「字が大きくて丁寧な方が内容までいいような気がする」というのは、人間の脳の錯覚かもしれませんが、逆に言えば、この錯覚を逆手に取らない手はないのです!
書き方のコツ②一文が長くならないように書く
読みにくい文章というのは、一文が長いことが多いです。
一文を長く書くと、その分主語が長くなってしまって分かりにくくなったり、言いたいことがまわりくどくなったりします。
論作文の用紙や行数にもよりますが、一文が3行や4行にわたって書かれている場合には長いと判断してよいでしょう。
- 私は担任をもっていたので、生徒と接する機会も多かったので、早い段階で生徒と打ち解けることができましたが、生徒との距離が近いだけでは学級経営はうまくいかないことを学びました。
書き方のコツ③字数制限のギリギリまで書く
論作文は、字数制限のギリギリまで書くことが鉄則です。
字数いっぱいまで書くことで、採点側に気合いと熱意を伝えることができるからです。
ですので、マス目がスカスカの用紙を提出することは避けましょう。
例えば、600字以上1000字以内だとすれば、1000字ギリギリまで書くことが大切です。
書き方のコツ④論作文の型を覚え、何がどこに書いてあるのか一目見て分かるように書く
論作文には、読み手にとって分かりやすくするための基本の型というものがあります。
型通りに忠実に書くことによって、読み手にとって読みやすく、内容が整理された文章ができあがります。
【まこ作】
基本の型を用いた論作文の例 「信頼される教師」
【テーマ】
信頼される教師とはどのような教師か。あなたの考えを述べなさい。また、信頼される教師になるためにどのような努力をしていこうと考えているか、述べなさい。
《序論》
教師という仕事は、同僚、保護者、地域社会と、様々な人からの信頼の上で成り立っている。中でも、子どもから信頼されることは質の高い教育を実現するにあたり最も大切なことである。私は、子どもから信頼される教師とは、「確かな指導力」と「子どもの気持ちに寄り添う姿勢」をもった教師であると考える。このような教師になるために、私は次の二つのことに取り組んでいく。
《本論1》
第一に、どの子どもにも分かりやすい授業づくりを行う。「教師は授業で勝負する」というように、やはり教師は子どもの心をひきつけるような授業をする必要がある。そのため、私は授業の内容がどの子にも分かるような授業づくりを行う。例えば、授業の前には学習目標を板書して明確化する。このようにすることで、子どもが学習に見通しをもつことができ、授業を通して身に着く力が分かりやすくなる。また、発問や指示は短く簡潔にするように心がけ、子どもが教師の話を理解しやすくする。このような全体への配慮をしたうえで、授業の様子やワークシートの内容などで、常に個人の理解度を把握する。子どもの理解度に合わせて机間指導で補助したり、休み時間に詳しく教えたりと、個別の指導も行う。全体と個の指導を行い、どの子にも分かる授業をつくる。
《本論2》
第二に、子どもの気持ちに寄り添った生徒指導を心がける。授業がどんなに上手い教師でも、子どもと心の距離があれば信頼を得ることは難しい。教育実習に行った際、担当教官がいつも子どもの立場に立ってコミュニケーションをとっており、授業外でも子どもたちの信頼を得ていた。このような信頼される教師になるために、私は共感の姿勢を大切にして子どもとコミュニケーションをとる。子どもが自分の意見や気持ちを話してくれた時には、一度「そうだよね」「その気持ち分かるよ」などと、受容する姿勢をもつ。このようにすることで、子どもが「この先生は自分のことを分かってくれている」「話を最後まで聞いてくれる」と思えるようになる。共感的なコミュニケーションから子どもとの心の距離を縮め、何でも相談しやすい雰囲気をつくっていく。
《まとめ》
子どもから信頼を得るために、私は「分かりやすい授業づくり」と「子どもの気持ちに寄り添う姿勢」を心がける。子どもからの信頼を得ることにより、次第に同僚や保護者などの周囲からの信頼につなげていく。
【まこ作】
論作文でどのようなテーマが出てきたとしても、この基本の型で書けるように、本番までに練習を重ねることが大切です。
書き方のコツ⑤具体例を交えて書く
論作文を書く際には、本論の部分に具体例を必ず書くことをおすすめします。
本論の部分に具体例を交えて書くと、次のようなメリットがあります。
- 具体例を書くことで、根拠の部分がさらに補強され、説得力が増す
- 読んでいる側が、具体的にイメージしやすくなる
さらに、ここに書く具体例は、自分の経験や体験したことを書けると、他の人にはないオリジナリティーを出すことができます。
教員採用試験の論作文は、受験生が同じテーマで同じような内容を書いています。
ですので、具体例の部分に自分の体験を交えることで、大勢の中に埋もれない、個性がキラッと光る論作文ができあがるのです。
【本論】
・主張
・根拠
・具体例 ←この部分に自分の経験や体験したことを混ぜる。
・もう一度主張
論作文・教育時事の勉強におすすめの参考書
最後に:合格する論作文を書く力を身につけるために
ここでは、論作文・小論文の勉強法や書き方のコツなどを紹介しました!
①過去問を分析し出題傾向をつかむ
②論作文対策の参考書を購入
③よく出るテーマを書いて添削を繰り返す
④教育用語についての理解を深めておく
- 字を大きく丁寧に書く
- 一文が長くならないように書く
- 字数制限のギリギリまで書く
- 論作文の型を覚え、何がどこに書いてあるのか一目見て分かるように書く
- 具体例を交えて書く
試験時間内に論作文を書くためには、論作文を書く基礎力が必要になっていきます。
つまり、書き方が分かっても、きちんと書く練習をして力を育成しなければ、合格する論作文は書けるようにはならないということです。
ぜひ、5つのコツが体に染みつくまで、10枚~15枚ほど、さまざまなテーマで書いて練習してみてください。
論作文を書く訓練も、筋トレと同じようなもので、続けていれば書く力が自然と身についていきます。
コツをおさえれば、あとは練習あるのみです!