みなさまは「国語ができるようになりたいなら本を読みなさい」と言われた経験はありませんか?
でもここで、一つの疑問が生じます。
本当に読書をすると国語ってできるようになるのでしょうか?
- 読書が好きなのに、国語が全然できない…
- 私は読書好きじゃないけど、国語の成績は良かったよ!
- そもそも国語力と読書って、関係あるの?
このように思う人も、多いのではないでしょうか?
実は、「国語力」が思うように育たないと感じる方は、「読書」の仕方に問題があるのかもしれません。
この記事では、多くの人が抱いている疑問「国語と読書の関係性」について、元中学校国語教員の私が、詳しく解説していきたいと思います。
結論を先にいうと、国語力と読書には関係はあります。しかし国語力は、文章に書かれていることに沿って読む練習をした場合に、初めて身につきます!
30秒で解説!「国語力」とは何か?
「国語力」という言葉をよく聞くのですが、そもそも「国語力」とは何を指すものなのでしょうか?
「国語力」は、「読解力」と「表現力」の2種類で構成されます。
「読解力」は文章を理解する力、「表現力」は学んだ知識を使って表現する力です。
そしてこの「国語力」は「国語の知識」で支えられています。
参考:(文部科学省 『これからの時代に求められている国語力について』 )
- 「国語力」は、「読解力」と「表現力」の2種類で構成
- 「読解力」は文章を理解する力、「表現力」は学んだ知識を使って表現する力
読書と国語力の関係性
では、ここからがいよいよ本題です。
国語力を伸ばすにあたって、読書が有効であるということは、文部科学省からも言われていることです。
果たして、国語力の育成に読書は本当に関係あるのでしょうか?
結論から言うと、国語力のアップに、読書は関係あります!
ただ、本をどのように読んでも、国語力は無条件でつくものではありませんので注意しましょう。
実は国語力(読解力)は、文章に沿ってきちんと読む訓練をした場合に、はじめて身につくのです。
つまり、何も考えずに文章を読むのではなく、文章に書いてあることを根拠に読む訓練が不可欠だということです。
読書が好きなのに国語が苦手な理由
- 読書が好きなのに国語が苦手
- 読書が好きで本をたくさん読むのに読解力がない
このようになってしまう原因は、読書をしているときに文章に沿って、根拠をもって読んでいないからです。
実は、「読書」と「国語的に読む」ということは、全く別物というのを皆さん知っていましたか?
「読書」をしているときの読み方
「読書」は、読んでいる人が自由に想像してよい読み方です。
文章からどんなことを読みとり、どんなことを考えるのかは、読む人の自由です。
究極のところ、作者の意図と、読者の解釈がずれていたとしても問題ないわけです。
「なんとなく」というニュアンスで、自分の好きに解釈して読めるのが読書の特徴であり、それがの魅力でもあるのです。
「国語的」に読んでいるときの読み方
一方で、テストの文章問題のような「国語的に読む」ことが必要な場合には、文章に書かれていることから根拠をもって読み進めなくてはなりません。
「国語的に読む」というのは、文章から離れて、書かれていないことを想像してはいけないのです。
ですので、根拠をもって読むことに慣れていない人がテストを受けた際に、「文章の雰囲気からなんとなくこれ」と選んだ選択肢を間違えてしまうことはよくあることです。
「自由に読書をしていて国語力が伸びる」という勘違いが、「読書をしているはずなのに国語が苦手」という矛盾を生んでいるのです。
読書をする際に、意識的に文章に沿って読み進める努力をしている人しか、読書によって国語力を高めることはできない。
国語力をアップさせる読書法
普通に読書をしていれば、語彙や言葉の使い方を覚えたり、読むスピードを上げたりといった、「国語力の基盤となる部分」は鍛えることができます。
ですがそれだけだと、国語の知識は増えても、国語力(読解力)の育成にはつながりません。
読書によって「国語力」(読解力)を高めたいのならば、読み方を工夫する必要があります。
私は目的によって、読書法を変えることをおすすめします。
- 国語の知識をアップさせたい場合
- 読解力をアップさせたい場合
① 国語の知識をアップさせたい場合
まずは、国語力(読解力)の基盤になる国語の知識を増やす読書法です。
読書を通して、言葉の知識を増やしたいという人向けの読書法になりますね!
ここでのポイントは、小説・実用書・新聞などの自分の読めそうな文章を継続して読み続けることです。
はじめのうちは「読書を継続する習慣をつける」ことを目標にしてみてください。
気がついたときには、驚くほど言葉の知識がアップしていると思いますよ!
語彙を増やしたい場合には、まずは本のジャンルは問わずに、自分が楽しんで読める本を継続して読むのが大切!
② 読解力をアップさせたい場合
次に、みなさまが「国語力」言った場合に考える「読解力」をアップさせたい場合の読書法です。
ここでのポイントは、読む本のジャンルと読み方です。
読む本は、実用書や新聞などの事実と筆者の考えで構成されている書物がおすすめです。
読むときには必ず、文章から離れずに、書かれている事だけに根拠をもって読む練習をしましょう。
筆者の意見が書かれている部分を読むときにも、「この意見の根拠はどこからきているのだろう」と文章の中を探す癖をつけてみてください。
文章に沿って「国語的に読む」ことに慣れるようになると、だんだんと「読解力」が身についてきます。
読解力を高めたい場合には、学生用新聞を読むのがおすすめです!週に1回の発行で、月1,000以下で読めますので、お子さまにも大きな負担にならず家計にも優しいです。
気になる方はぜひ、以下公式ページをチェックしてみてくださいね!
まとめ:正しい読書をすれば国語力は上がる
「国語力」は正しい読書をすれば上げることができます。
もし、今日まで「読書をしているのに国語力があがらないな」と感じている方は、ぜひ目的によって読書方法を変えてみてください。
国語力と読書には関係性がありますので、ぜひ読書法を工夫して、国語力のアップを実感してみてくださいね!